殺処分ゼロに取り組むピースウィンズ・ジャパン大西さんとの対談

この「ブレーメン」をスタートするにあたって、SEKAI NO OWARIがパートナーに選んだのが、認定NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」(PWJ)1です。この対談に登場していただいている大西純子さんは、PWJが取り組むプロジェクト「ピースワンコ・ジャパン」のリーダーで、犬の殺処分ゼロに向けて活動しています。先日広島にある施設を訪れ、大西さんからレクチャーを受けたSEKAI NO OWARIの4人ですが、今回東京で再会しました。プロジェクト発足の経緯や動物殺処分の現状、そして次世代に託したい思いなどについて、それぞれ語り合ってもらいました。

●まずは今回のプロジェクトがスタートしたきっかけについて伺えればと。大西さんにアプローチをしたのは、SEKAI NO OWARIのほうからですよね?

Fukase そうですね。たまたま友達がFacebookでフォローしていた(殺処分ゼロに関連した)他の団体さんがあったんですけど、現状が知りたくて、Saoriちゃんと一緒に埼玉まで行って話を訊いたんですね。その中で、大西さんがやっているピースワンコ・ジャパンの存在を知り、会いに行こうってなったのがきっかけですね。僕自身どうしてアプローチしたかっていうと、知識がまるでないので、どう動いていいのかがまったくわからなくて。今、現状は何が必要で、僕達がミュージシャンとして何ができるのかっていうのを、自分の足で行って、見て、理解したかったから。それで行きました

●以前は孤児を支援するプロジェクトにも賛同していたSEKAI NO OWARIですけど、動物の殺処分というテーマと向きあおうとした理由とは何だったんですか?

Fukase 親の影響があるのかもしれないですね。僕の名前自体が仏教用語から来ているんですけど、父が生き物をとても大切にする人で。昔から遊びの釣りはやらないとか、そういう考えの人なので、自然と身についていたのかもしれないです
Saori こういうテーマの歌も多いしね
Fukase そう。デビュー・アルバムの2曲目2 から、そういうことを歌っていますから(笑)。自分の中で、こういうことを考える割合が多くて。でも「動物とか植物がそんなに好きなの?」って思われるんですけど、突出してそういうものが好きっていうわけではないんですよ。あくまで自然の流れの中で曲にしているのであって、嘆き悲しんでいるわけではないんですね。一時期はそういうことに心が動かない自分に悩んだ時期もあったんですけど、ただ患者さんの気持ちに寄り添って、手が震えるお医者さんに手術ができないように、自分はこのスタンスでいいんだと思えるようになってからは楽になりましたね
Saori 一番最初は「猫の殺処分ゼロを目指している方の家が埼玉にあるんで話を訊きに行こう」って、(Fukaseから)突然その日の朝に言われて。それこそ孤児の問題もそうですし、それこそ東日本大震災や熊本地震もそうですし、世界中にこれだけ困っている人がいるのに、なんで今、Fukaseは動物の殺処分にフォーカスをあてるんだろう?って最初はわからなくて。でも、ここまでの自分たちの活動を振り返ったときに、国民的歌番組と呼ばれる紅白歌合戦にも出させて頂いて、日本一大きい会場と言われる日産スタジアムでもライブをやった、じゃあ、この先、どこに目標を定めるべきなのか?もっとたくさんの人に愛してもらえるヒット曲を作り続けていくことが目標なのか?そういうことを色々考えると、こういうプロジェクトを進めていくことが、自分たちにとっての次の視点なんだと理解できるようになったんですね。
Nakajin さっきも話に出ましたけど、ふと思い立って始めたというよりは、もともとこういうことを考えてきたっていうのが大きいですよね。それこそ“虹色の戦争”や“世界平和”や“深い森”とか、Fukaseが書いた曲ですけど、僕らもその曲をステージでやってきた仲間だから違和感はないですよね
Saori だからもっと有名になりたいとか自分たちの音楽をもっと知ってほしいとか、次はそういうステップじゃないっていうことがわかったんですね。誰かのために、何か出来るんじゃないかっていう
Nakajin それが僕ら自身の喜びでもあるというか
Fukase 自分がやれることで誰かが喜んでくれるのは楽しいですよ。日曜大工が得意な人が誰かを喜ばせるために、何かを作るのと同じことだと。で、今の僕らなら、少しくらいきっかけを与えられるんじゃないかとも思えたし。誰かに手を差し伸べて、引き上げることができる腕力がついたというか。昔の僕らは自分たちのことだけで精一杯だったから、誰かに手を差し伸べても一緒に落ちていってしまうような状態だったから(笑)
1. 認定 NPO 法人「ピースウィンズ・ジャパン」
ピースウィンズ・ジャパンは、国際協力 NGO として多くの国や地域で難民や災害被災者などの支援に取り組み、国内でもさまざまな社会問題の解決に注力し ている。中でも人と犬の助け合いを掲げて立ち上げた「ピースワンコ・ジャパン」事業では、災害救助犬・セラピー犬の育成や、殺処分ゼロを目指した保護・譲 渡活動を展開している。「2011 年度に広島県が犬・猫の殺処分数で全国ワーストワンになった」のを受け、13 年9月、県内の犬の殺処分を 1000 日以内にゼ ロにする計画を発表。600 頭規模の犬舎の建設や、広島市、神奈川県藤沢市での譲渡センター開設などを進めた。16 年4月以降、殺処分対象の犬を県の施設 からすべて引き取り、「県内の殺処分ゼロ」活動を推進している。
公式サイト→http://peace-winds.org/
2. デビューアルバム「EARTH」収録の「虹色の戦争」
 
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